香川県内企業・財団の取組

目の健康をサポートする天然のルテインが10倍!毎日手軽に摂り続けられる機能性表示食品を開発(有限会社高島産業)

有限会社高島産業は、1922年(大正11年)に卵を孵化させヒヨコとして販売する孵卵業とそのヒヨコを親鶏まで育て採卵し鶏卵販売を行う採卵養鶏業して創業。1968年には、育雛から成鶏まで一貫生産を行う農場として会社を設立。以来、四国最大規模の専業採卵養鶏場として、年間1万トン以上の鶏卵を生産している。100年にわたって生まれたてのヒヨコから自家育成することで健やかに成長した親鶏が生んだ、安全かつ新鮮な卵を販売してきた同社。100周年を迎えた2022年(令和4年)に、その集大成ともいえるルテイン10倍卵「あらん」を開発・販売している同社の高嶋浩司社長にお話を伺った。

「あらん」は、県内外スーパーマーケットなどの他、オンラインショップでも購入できる機能性表示商品(届出番号:H85)「あらん」「ARAN」は高島産業さんの登録商標です。

有限会社高島産業は、1922年(大正11年)に卵を孵化させヒヨコとして販売する孵卵業とそのヒヨコを親鶏まで育て採卵し鶏卵販売を行う採卵養鶏業して創業。1968年には、育雛から成鶏まで一貫生産を行う農場として会社を設立。以来、四国最大規模の専業採卵養鶏場として、年間1万トン以上の鶏卵を生産している。100年にわたって生まれたてのヒヨコから自家育成することで健やかに成長した親鶏が生んだ、安全かつ新鮮な卵を販売してきた同社。100周年を迎えた2022年(令和4年)に、その集大成ともいえるルテイン10倍卵「あらん」を開発・販売している同社の高嶋浩司社長にお話を伺った。

大正11年の創業時に建てられ、かつては卵の孵化や育雛場として使われていた建物
現在の採卵鶏舎。鳥インフルエンザ対策には余念がない

毎日2~3個食べるだけで

一般の卵と「あらん」を比較すると、卵黄の発色がより鮮やかなのがわかる

曽祖父の代から100年もの間、養鶏に携わってきた同社。約70万羽もの鶏を飼育し、これまでもさまざまな機能や顧客ニーズに応える卵を販売してきた中に、2005年に生産販売を開始した「ルテイン3倍卵」があった。ルテインとは、天然色素の一種で、光の刺激から目を保護する網膜色素(黄斑部)を増やす働きをもつ成分。体内ではつくることができない成分だが、モロヘイヤやケールなどの緑黄色野菜などに多く含まれている。鶏卵にはこのルテインが元々含まれており、ルテイン強化卵は同社以外でも販売、市場に流通しているものだ。「ただ、人体において目の保護に効果が出ると言われているルテイン量を摂取しようとすると、通常の卵だと20個も食べないといけないんです。とてもじゃないけど現実的じゃないでしょう」と話す高嶋社長。実は、数年前から目の調子が良くないと奥様から相談を受けていたという高嶋社長。「ルテイン3倍卵を食べたら?と提案したが3倍卵でも1日8個ほど食べる必要がある。そんなには毎日食べられないと却下されました」。そこで高嶋社長は「1日2~3個にして」という妻の一言で、「よし!ルテインが10倍含まれている卵をつくろうと思い立った」という。

本社の奥にある「福徳の神」卵の像。七福神とともに高島産業の未来を見守っている

約2年を費やしてコツコツと挑戦

「ルテイン含有量が通常の卵の10倍になれば、機能性表示食品として承認されるのではないか。」そう考えた高嶋社長は、(公財)かがわ産業支援財団内にある新機能性表示食品開発相談センターへ相談。専門家によるサポートを受けながら2020年に開発をスタートさせた。鶏卵中にルテイン含有量を増やすため、ルテインを含む植物を特別に配合した餌を鶏に食べさせるなど、地道な研究開発と試験を繰り返したが、それから1年半以上、試行錯誤は続く。「8倍程度までは数値が上がるんですが、そこからはどうやっても全く上がらないんですよ。」当初から創業100周年のタイミングでの販売開始を考えていたという高嶋社長。だが、2021年後半になっても結果が出ない。「そこで配合率を見直すとともに独自の工夫をプラスして、餌を配合してもらったんです」。この配合でルテイン含有量が10倍を超えなければもう開発は難しいかもしれない、そう思いながらのチャレンジだった。

ついに完成したルテイン10倍卵

2022年2月の検査でついに基準としていた数値を超え、十分なルテイン量を含むことが確認された。早速、機能性表示食品の届出手続きを行ったが、前例がない食品であることから簡単には受理されない。その高いハードルを超えられた理由は、自社で2005年から販売を続けていた「ルテイン3倍卵」の存在だった。17年もの間、ルテインによって人体に害を及ぼしていないという事実が後押しになり、無事に届出が受理された。奇しくも創業月と同じ4月のことだ。「ルテインは元々自然界に存在し、鶏卵にも含まれる成分。餌に含まれたルテイン量を変え、さらに配合を工夫したことで、鶏が本来持っている力を引き出すことができたんです」。さらに、INPIT知財総合支援窓口の支援のもとで、このルテインが10倍の卵について特許を出願するとともに、奥様が考えた「あらん」という名称で商標登録も行い、販売がスタートしたのは、同年11月。目標にしていた100周年に、県内外のスーパーや百貨店の店頭に並んだ。翌2023年には東京や大阪でも取り扱われるようになり、海外への販路拡大を見据えて、かがわ産業支援財団が実施する「中小企業等外国出願支援事業」を活用し、外国商標「ARAN」を数か国で取得した。同10月には香港で、11月にはドバイの高級ホテルでも提供されるようになった。大切な家族の目の健康を考えるところから生まれた「あらん」は、日本全国、そして世界に広がり、食による社会貢献を担い続けていく。

代表取締役社長 高嶋浩司 氏

有限会社高島産業

会社概要

所在地 高松市香川町川東上379
電話 087-878-1170
URL http://www.t-egg.com/