糖質とカロリーを抑えた次世代スイーツの誕生（株式会社ルーヴ）

糖質とカロリーが限りなくゼロに近い次世代スイーツへの挑戦

(株)ルーヴは、昭和53年の創業以後、地元の方々に愛され続ける菓子工房として、新鮮で安心な地元の食材をふんだんに使用したケーキやお菓子を提供している。洋菓子は常時100種類、季節の素材を使用したスイーツや焼き菓子などを豊富に揃えて、心を込めてお客さまにお届けしている。

しかし、近年の健康ブームの影響から、『スイーツは体に良くない食べ物、カロリー過多の食品である』というイメージが強くなっている。糖分やカロリーは、体に必要なものだが、摂取が過剰となると生活習慣病などを助長する要因となる。そのため、同社の業界では、健康は大きなテーマであるが、『機能性が期待できるスイーツは、おいしくない』というのが定説と同社では認識していた。

そこで、(株)ルーヴは、今後の市場性・成長性が期待される、糖質とカロリーが限りなくゼロに近い次世代スイーツの開発に挑んだ。

苦労した小麦粉や砂糖を1gも使用しないスイーツ開発

確かに、糖分やカロリーは体に必要だが、普段の食事で十分に摂取できていると考え、低糖質・低カロリースイーツの開発を開始した。しかし、実現のためには、従来のスイーツで使用されてきた小麦粉や砂糖を1gも使用することができないという難解な課題を解決する必要があった。

そこで、果物の一種で水溶性が高く、食物繊維を含む「羅漢果」や人口甘味料より安全で優位な天然甘味料の「エリスリトール」を代替原材料として使用することで、カロリーは限りなくゼロに近づき、解決したかに思えた。しかし、「羅漢果」、「エリスリトール」ともに、独特の味覚と風味のクセがあり、おいしさの面の課題にも直面した。これらを解消するために、高品質カカオパウダー（ココアパウダー）を用いて、マスキングを行い、クセのある味覚や風味を消すように工夫を行った。

また、低カロリースイーツと謳うからには、正確なカロリー測定による商品提供が求められるため、県内初となる測定器『カロリーアンサー』を導入した。この測定器は、対象食品をペースト状にして、光の屈折により測定する仕組みであり、カロリー測定をはじめ、タンパク質、脂質、炭水化物といった対象商品の含有成分を短時間で正確な数値測定が可能であった。この測定器を利用して、100gあたりのカロリーを測定するなどして同等スイーツと比較しながら、開発を進めていった。

さらに、試作品の効果を検証するため、スタッフによる5時間血糖値検査（10回の血液検査）を繰り返した。従来品であれば、食後に血糖値が一気に上昇し、インシュリンの分泌が始まるが、効果検証を行った結果、試作品は血糖値の上昇やインシュリンの分泌も横ばいの結果となり、商品開発の進捗は一気に加速した。

その後、食事療法の権威である専門医や量産化に向けた外部専門家などの指導の甲斐もあり、従来品に比べて糖質10分の1、カロリー3分の1にまで抑えた低糖質チョコレートケーキや低糖質・低カロリーのブドウ、オレンジ、マンゴーの3種類のフルーツゼリーなどの商品化に成功した。

未来型スイーツを目指して、菓子創造研究所を設立

今回の事業で開発された商品は、試食会、見本市でも好評であり、十分な手応えを感じていた。マスコミの取材対応も積極的に行っており、県内外から引き合いがきている。特に、これまで販路先対象とは考えていなかった大手エステティックサロンや高齢者施設などからも引き合いがあるため、新しい市場への展開も期待されている。

「この事業を通じて、時代が求めるスイーツの可能性やあり方について、深く考えさせられました」と野崎専務は当時を振り返った。同社では、この事業がきっかけとなり、延べ床面積1200平米で衛生管理なども十分に配慮し、最新機器を揃えた菓子創造研究所を設立して、未来型のスイーツ、機能性が期待できるスイーツの開発に取り組むこととした。

充実した研究開発の環境を整備したことから、これからの(株)ルーヴの次世代スイーツの開発に期待が高まる。

新商品にかける熱き想い！

社名

会社概要

所在地	高松市鹿角町290-1
電話	087-869-7878
URL	http://lowe.co.jp
従業員数	70名
創業	昭和53年
資本金	1,000万円
採択年度	平成25年度