香川県内企業・財団の取組

機能性を追求したワーキンググローブをブランド化(株式会社ダイコープロダクト)

自社の強みを発信し市場拡大へ

株式会社ダイコープロダクトは、手袋・バッグ・小物雑貨のメーカーとして、1963年の創業以来培ってきた裁断・縫製の技術を生かしたものづくりを行っている。ファッションやスポーツの手袋を取り扱っている企業が多い中、同社の主力は、消防や警察、工場などの限定された場所で使われるワーキンググローブ(特殊作業用手袋)。難燃・防水などお客さまの要望を聞き、オリジナルの製品を作っている。

代表取締役の川北康伸さんは、「ワーキンググローブの市場を広げる方法はないか」と模索していた。同社の顧客は官公庁が多く、仕事の受注は入札がほとんどである。予定していた仕事が取れないと、工場の稼働に影響が及び迷惑をかけてしまうことになる。仕事量を安定させるには民間の仕事量を増やすことが重要な課題であった。

同社の製品は専門性が高く、多くの人の目に触れるものではないが、機能性には自信があり、特許技術も持っている。「自社の強みを自ら発信することで興味を持ってくれたり、情報が集まってくるのではないか」と思い、ホームセンターなどに出回っているものとは全く異なる、商品が使う人を選ぶ「超機能的」なワーキンググローブの自社ブランドを立ち上げることを決めた。

会長の川北さん

人にも地球にも優しいグローブへ

新ブランド名は「DK.WORKS」。「DK」は、「香川に大きく根を張る」という意味でつけられた創業時の社名「大香」の漢字の頭文字をとったもの。「WORKS」は働く人、ものづくりに対する川北さんの思いが込められている。

商品は「突き刺し防止」、「難燃・耐熱」、「防水・防寒」、「抗ウイルス」の4つの機能に特化し、デザイン性を重視した6種類。「現在は開発段階だが、機能性を高めていくと形が悪くなるのが課題。いろいろな人から意見を聞き、超機能的なグローブを追求していきたい」と2021年4月の販売開始に向けて準備を進めている。

機能性と合わせて考えているのが「エコ」。「現代の経済活動では環境への配慮は不可欠。使い捨てが当たり前ではなく、高価でも長く使えるものにしたい」と、エコへの意識変化を促すメッセージも込める。

「新ブランドの成功はもちろん、商品の価値を知ってもらい、別注文につながってくれれば」と今後の展開に期待を寄せている。

新商品にかける熱き想い

自社ブランドを立ち上げたことで、社員の意識も変わってきています。財団の助成金が活用できたことで、挑戦の幅、研究開発の領域も広がりました。ワーキンググローブは使い捨てることが多い商材だがDK.WORKSをきっかけに長く愛用できる商品を広め、エコに貢献していきたい。

代表取締役 川北 康伸氏

株式会社ダイコープロダクト

会社概要

所在地 さぬき市大川町田面17-4
電話 0879-43-3566
URL http://www.daiko-product.com
従業員数 37名
資本金 1,000万円