沿革
当研究機関は、平成7年に高温高圧流体技術研究所として設立され、高温高圧流体技術及びマイクロ波技術を中心に産学官の共同開発を実施しています。
更に、地域企業と共に事業活動に直接結びつく実用化研究を行うことにより、技術の高度化と産業の振興を目的に、環境調和型の技術開発を積極的に推進しています。
平成7年7月 | 岡山県、香川県、徳島県が共同で「東中・四国創造的経済発展基盤地域」整備方針を策定 (平成9年3月高知県参加)し、その中で高温高圧流体技術研究所を中核研究施設として位置付ける |
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平成7年8月 | 産学官の関係者により研究所の設立発起人会を開催 |
平成7年12月 | 財団法人香川県産業技術振興財団附属研究所として設立 |
平成9年9月 | 研究所落成 |
平成13年4月 | 財団法人香川県産業技術振興財団を財団法人かがわ産業支援財団に名称変更 |
平成22年4月 | 高温高圧流体技術研究所を地域共同研究部に名称変更 |
平成23年4月 | 財団法人かがわ産業支援財団が公益財団法人に移行 |
高温高圧流体技術とは?
物質には、温度と圧力により、固体・液体・気体の三つの集合状態があります。
しかし、ある温度・圧力(臨界点)を超えると、気体と液体の境界面が消失して、両者の間の特有の性質を持つ均一な高密度流体になります。この流体は「超臨界流体」と呼ばれ、特に物質移動特性に優れています。
高温高圧流体技術は、臨界点近傍における超臨界流体を含む高温高圧流体の優れた特性・機能を利用して、物質の抽出・精製・洗浄、材料の調製・加工・機能化、反応等を行う新技術です。
水を例に図の説明をします。水は液体の状態では水分子が緩やかに結合しています。また水蒸気と呼ばれる気体の状態では水分子は自由に動いています。水の超臨界流体では液体と気体の中間状態の動きをするため物質の移動特性に優れた働きをします。
超臨界流体の特徴
- 普通の液体では溶けない物質をよく溶かす
- どんなに小さなすき間にも入り込める
- 化学反応が起きやすくなる
超臨界流体 | ||
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温度(℃) | 圧力(MPa) | |
二酸化炭素 | 31以上 | 7.4以上 |
メタノール | 239以上 | 7.9以上 |
水 | 374以上 | 22.0以上 |
温度と圧力による物質の状態変化の図では、水の場合で374度以上かつ圧力が22.0メガパスカル以上の状態で超臨界流体となります。
マイクロ波とは?
電磁波の一種で、 300MHzから300GHzの波(波長:1mm~1m)のことをマイクロ波とよんでいます。
このマイクロ波には、電子レンジや携帯電話、衛星放送の波長が含まれています。 マイクロ波は光と同じ速度で空間を伝播して、金属に当たった場合、その殆どは反射し、陶磁器、プラスチック等に当たった場合は、その殆どが透過しますが、水・カーボン等マイクロ波吸収性の大きな物質には吸収され、物質自身が直接発熱する特徴があります。
このマイクロ波加熱を利用した装置としては、電子レンジが一般に用いられていますが、容器に入った食品であっても、内部から均一に急速加熱することができ、また、特定の物質のみを選択的かつ急速・均一に加熱できるなどの特徴があり、食品から建材、廃棄物処理などの工業的分野や化学反応などさまざまな分野で活用されています。
材料とマイクロ波吸収性の関係を示す図では、金属はマイクロ波を反射し、陶磁器やプラスチックはマイクロ波を透過します。そして水やカーボンではマイクロ波を吸収すると内部で発熱します。
マイクロ波加熱の特徴
- 反応物自身が直接発熱
- 物質毎にマイクロ波吸収能が異なる
フラスコ内の水の温度分布の図では、従来の加熱方法ではフラスコ内の水の温度はフラスコの外周よりは低い温度ですが、マイクロ波加熱方法では内部から温められるためフラスコ内の水は外周より高い温度になります。各種液体及び固体のマイクロ波吸収性の表ではマイクロ波の吸収性が大きい物質はアルミニウム、マグネタイト、酸化マンガン、シリコン、塩化スズ、チタン、カーボン、酸化銅、水、アルコール、クレゾールなどがあり、吸収性が小さい物質には、アルミナ、酸化鉄、塩化マンガン、シリカ、酸化スズ、酸化チタン、パラフィン、トルエンなどがあります。
マイクロ波加熱の適用分野について説明します。脱水または乾燥分野では木材、茶葉の乾燥、野菜の減圧乾燥、耐火物の高速乾燥に適用されます。合成の分野では、有機合成ではエステル化、縮合(しゅくごう)、転位、クロスカップリング反応に、無機合成ではナノ粒子合成、複合・薄膜化に適用されます。分解の分野では、ダイオキシンや塩化ビニルなどの環境汚染物質の無害化、バイオマスやプラスチック廃棄物の油化またはガス化に適用されます。抽出の分野では、穀物、柑橘類、木材などから有用成分として、アミノ酸、糖類、タンパク質、木酢液、アロマ成分などの抽出に適用されます。殺菌または防カビの分野ではレトルト食品、パン、洋菓子などの滅菌、減菌、または土壌の消毒や種子中の芽胞菌(がほうきん)の駆除に適用されます。焼結または固化の分野では陶磁器や金属粉末の高速焼結、軽量耐火建材の高速養生に適用されます。温熱の分野では高速炊飯や酵素の活性化、がん治療に適用されます。マイクロ波加熱の効果として、反応速度の増大により生産量の増大または装置の小型化が可能、反応条件の温和化によりエネルギーコストの削減が可能、反応選択率の向上により歩留まりや製品品質の向上が見込まれる、新規反応の創出により新規製品の創出が期待できる、反応経路の単純化により工程を省略化できます。
業務案内
共同開発型研究プロジェクト
産学官共同で実施する開発研究プロジェクトであり、原則的にRISTかがわの設備を優先的に使用できます。
共同開発研究
区分 | 内容 | |
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研究機関 | 1~3年程度 | |
参加企業負担金 (消費税等別 |
運営管理負担金 | 県内企業:100万円以上/年 |
運営管理負担金 | 県外企業:200万円以上/年 | |
研究指導者 | 研究指導者の選任は財団と企業が協議して決定します。 | |
研究員 | 財団の研究員(博士の学位を有するか又はそれと同等の学歴経験を有する者)1名以上を当該プロジェクトの担当者とします。企業からは研究者又は製品開発担当者1名以上をお願いします(常駐は必要としません)。 なお、研究指導者の判断によって適宜客員研究員を委嘱します。 |
|
研究ブース 及び実験機器の使用 | 基礎研究等のため、研究管理棟の実験室・研究室及び実験機器並びに実験棟のテストプラントを使用できます。 | |
その他 | 研究開発に必要なテストプラントの改良・修繕費は参加企業の負担となります |
FS型プロジェクト
(試作・新商品開発研究を行う場所を提供します!) (公財)かがわ産業支援財団の地域共同研究施設「RISTかがわ」では、企業の皆様方に実験・測定・研究する場所を提供する開発可能性調査研究(FS)制度があります。
RISTかがわの研究室・実験室や実験棟実験室(1室)を専用でお使いいただくともに、施設内にある高温高圧流体設備、 マイクロ波反応装置等の実験設備及び分析・測定機器がご利用いただけます。
FSⅡ [研究・実験機器等を最大1年間使用する調査研究]
区分 | 内容 | |
---|---|---|
参加企業負担金 (消費税別) |
基本料 | 250万円(年間) |
技術指導費 | 特別な技術指導を行う場合に必要な経費。 | |
研究員 | 研究員は配置しませんが、1時間/日程度の技術指導及び相談に応じます。 | |
実験機器の使用 | ①研究棟研究室・実験室、実験棟実験室が専用使用できます。 ②RISTかがわの保有する実験設備・分析機器等が使用できます。 ③実験棟実験室に利用者独自の実験設備を持ち込んで研究することができます。 |
|
その他 | ①基本料には、機器の使用、使用機器の操作指導及び1時間/日程度の技術指導・技術相談を含みます。 ②消耗品費、原材料費は参加企業の負担となります。 |
FSⅠ [研究・実験機器等を月5日以内で使用する調査研究]
区分 | 内容 | |
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参加企業負担金 (消費税別) |
基本料 | 50万円(年間) |
技術指導費 | 技術指導費特別な技術指導を行う場合に必要な経費。 | |
研究指導 | FSⅡに同じ。 | |
実験機器の使用 | FSⅡに同じ。(ただし、③の実験設備の持込は利用日のときだけで常時置くことはできません。) 使用日程については、当地域共同研究部の使用状況を考慮して調整します。 |
|
その他 | FSⅡに同じ。 |
受託研究
企業等の創造的事業活動及び技術革新を支援するため、企業からの委託による開発研究を実施しています。
研究対象
高温高圧流体技術及びマイクロ波技術並びにこれらに関連する技術を用いた開発研究
主な研究分野
- 環境関連分野
- 新素材関連分野
- エネルギー・資源分野
- 医薬・食品関連分野
受託研究費
「基本単価」、「試験材料費」、「装置運転経費(開放機器等の使用料を準用)」、及び「間接経費(試験材料費、装置運転経費の10%)」の合計額(消費税等別)とします。
なお、基本単価は次の通りです。
区分 | 基本単価(円/時) |
---|---|
県内企業 | 4,800円 |
県外企業 | 9,600円 |
産業財産権の取扱い
受託研究によって生じた発明は、原則として当財団と委託者の共有となります。(詳細は協議して決定します。)
受託研究に係る産業財産権は、委託者又はその指定する者に限り、一定期間優先的に実施することができます。
技術相談
高温高圧流体技術やマイクロ波技術に関心のある企業等に対し、技術力の向上や当財団との共同研究に向けた支援を行なうため技術相談を実施しています。
技術相談
技術相談は原則無料とし、必要に応じて技術指導を行います。
技術指導の実施期間
技術相談の実施期間は1ヶ月以内とし、技術相談に伴う実験(いわゆる「アタリ実験」)を実施します。
相談結果の活用
相談結果の活用については、開発可能性調査研究型プロジェクト、共同開発研究型プロジェクト等への展開を含め、双方が別途協議します。
技術指導費
アタリ実験に要する経費(基本料+試験材料費・燃料費)は申込者の負担となります。
基本料は、1試料につき県内企業が2万円 (ただし中小企業は1万円)、県外企業が5万円(ただし、中小企業は3万円)です。(消費税等別)
産業財産権の取扱い
技術相談によって得られた産業財産権の取扱いについては、双方が別途協議して定めます。
機器開放(令和5年10月31日終了)
研究の不正防止
健全な研究活動に向けた取組み
公正な研究及び公的研究費の管理・運営の責任体制等について
公益財団法人かがわ産業支援財団 理事長
公益財団法人かがわ産業支援財団では、文部科学省の「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」及び「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」に基づき、公正な研究活動及び公的研究費(競争的資金)等に係る管理・運営の責任体制を次のように定めました。
管理・運営の責任体制
【最高管理責任者】理事長
財団全体を統括し、公正な研究及び公的研究費(競争的資金)等の管理・運営について最終責任を負う。
【統括管理責任者】事務局長もしくは技術統括監
最高管理責任者を補佐し、これら管理・運営について財団全体を統括する実質的な責任と権限を持つ。
【コンプライアンス推進責任者】地域共同研究部長
統括管理責任者の指示のもと、地域共同研究部におけるこれらの管理・運営について、実質的な責任と権限を持つ。
研究倫理教育責任者を兼務し、教育倫理に関する取組について責任をもって行う。
通報・告発の受付窓口
研究活動における不正行為及び公的研究費(競争的資金)の不正使用等に関する財団内外からの通報・告発の受付窓口は、次のとおりです。
かがわ産業支援財団総務部総務課長
〒761-0301 香川県高松市林町2217-15 香川産業頭脳化センタービル
TEL 087-840-0348 FAX 087-869-3710
MAIL smk@kagawa-isf.jp
通報・告発の受付にあたっては、通報・告発者の氏名・連絡先、不正使用(行為)を行なったとする研究者の氏名、不正使用(行為)の態様、不正と判断された合理的な理由などについての聴き取りをさせていただきます。また、調査にあたり、通報・告発者にご協力をお願いする場合があります。なお、香川県個人情報保護条例に基づき、個人情報の取扱いにあたっては適正に対処いたします。
事務処理手続等の相談窓口
研究活動における不正行為及び公的研究費(競争的資金)の不正使用等の事務処理手続き及び使用ルール等の相談窓口は、次のとおりです。
かがわ産業支援財団総務部総務課
〒761-0301 香川県高松市林町2217-15 香川産業頭脳化センタービル
TEL 087-840-0348 FAX 087-869-3710
MAIL smk@kagawa-isf.jp
関連規定等
健全な研究活動の推進に関する規程等
- 公益財団法人かがわ産業支援財団における公正な研究活動に関する規程
- 公益財団法人かがわ産業支援財団における研究記録の管理等に関する規程
- かがわ産業支援財団における研究成果発表に関する規程
- 公益財団法人かがわ産業支援財団における 競争的資金等を活用した研究の発表に関する確認書
公的研究費の適正な取り扱いに関する規程等
- 公益財団法人かがわ産業支援財団における競争的資金等に関する取扱要綱
- 公益財団法人かがわ産業支援財団競争的資金等に関する取扱要領
- 公益財団法人かがわ産業支援財団競争的資金等に関する不正防止計画
- 公益財団法人かがわ産業支援財団競争的資金等に関する内部監査実施要領
- 公益財団法人かがわ産業支援財団競争的資金等に関する行動規範
研究成果
年報
ニュースレター
研究成果の発表
令和元年度に実施したプロジェクト等の研究成果
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界技術によるプラスチック材料への機能性付与に関する研究(Ⅰ) | 中西 勉 |
2 | オリーブ圧搾滓に含まれるポリフェノール評価 | 朝日 信吉 |
(開催日:令和3年3月27日)
平成30年度に実施したプロジェクト等の研究成果
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | オリーブポリフェノール抽出溶液の調整とポリフェノール分析 | 朝日 信吉 |
2 | 香川県農産物の機能性表示に向けた調査研究(その2) | 中西 勉 |
平成29年度に実施したプロジェクト等の研究成果
成果1(開催日:平成30年11月8日)、成果2(開催日:平成31年1月29日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 冷凍パスタの電子レンジによる加熱の特徴 | 朝日 信吉 |
2 | 香川県農産物の機能性表示に向けた調査研究(その1) | 中西 勉 |
平成28年度に実施したプロジェクト等の研究成果
成果1(開催日:平成29年12月1日)、成果3(開催日:平成29年10月16日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | ひまわり油製造で副生する圧搾滓の機能性素材としての利用の検討 | 中西 勉 |
2 | CFRPの加工条件に関する調査研究 | 中西 勉 |
3 | 冷凍うどんの電子レンジによる均一加熱調理方法の検討 | 朝日 信吉 |
平成27年度に実施したプロジェクト等の研究成果
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 香川県農産物の未利用部位に含まれる機能性成分の検索 | 中西 勉 朝日 信吉 ★産業技術センター 藤川 護 |
(開催日:平成28年2月5日)
平成26年度に実施したプロジェクト等の研究成果
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 水熱分解処理による未利用バイオマスの利用(その2)-機能性食品素材の開発を目指して- | 中西 勉 朝日 信吉 ★産業技術センター 藤川 護 |
平成25年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成27年3月11日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 水熱分解処理による未利用バイオマスの利用(その1)-機能性食品素材の開発を目指して- | 中西 勉 朝日 信吉 ★産業技術センター 藤川 護 |
平成24年度に実施したプロジェクト等の研究成果
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 香川県産の農水産物を活用した機能性食品の開発について -機能性成分の抽出技術と機能性評価- | 中西 勉 朝日 信吉 ★産業技術センター 松原 保仁 大西 茂彦 松岡 博美 |
平成23年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成24年9月24日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界抽出技術による抽出結果 | 中西 勉 |
2 | マイクロ波加熱技術による抽出結果 | 朝日 信吉 |
平成22年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成23年6月10日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界流体の利用技術の開発について | 中西 勉 |
2 | マイクロ波加熱を用いた技術開発(抽出・乾燥・反応)について | 朝日 信吉 |
平成21年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成22年6月11日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | マイクロ波技術を活用したバイオ燃料の開発 | Armando T.Quitain |
2 | バイオマスの可溶化技術に関する開発 | 中西 勉 |
3 | かん水からのリチウム回収システム開発 | 湯 衛平 |
4 | マイクロ波照射による水溶液の昇温特性 | 近田 司 |
平成20年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成21年6月29日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界二酸化炭素を用いた規格外ワカメからフコキサンチン抽出技術の開発 | Armando T.Quitain |
2 | 超臨界二酸化炭素中での含ハロゲンポリマーの熱物性測定 | 畑 和明 |
3 | 柑橘果皮の乾燥微粉末化技術の開発 | 中西 勉 |
4 | マイクロ波加熱による柑橘系未利用資源の有効利用 | 近田 司 |
5 | 電子レンジ内のマイクロ波分布・温度分布測定 | 朝日 信吉 |
6 | かん水からのリチウム回収技術の開発 | 湯 衛平 |
平成19年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成20年7月1日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 皮革素材の高機能化技術の開発 | 中西 勉 |
2 | マイクロ波―固体触媒を用いたバイオディーゼル燃料の迅速製造技術の開発 | Armando T.Quitain |
3 | 光触媒の現状と応用 ― 空気清浄機 ― | 湯 衛平 |
4 | マイクロ波水蒸気蒸留法による柑橘類精油の回収 | 加藤 俊作 |
5 | マイクロ波加熱による被加熱物のマイクロ波分布・温度分布測定 | 朝日 信吉 |
6 | 高圧二酸化炭素中でのポリカプロラクトンの熱物性測定 | 畑 和明 |
7 | マイクロ波照射下での特異な加熱現象 | 近田 司 |
平成18年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成19年6月22日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 未利用資源からの高栄養・高機能性食品素材の製造に関する技術開発 | Armando T.Quitain |
2 | 超臨界パターニング技術による微小電極及び微小電池の創製 | 黄 錦涛 |
3 | 超臨界流体注入法を用いた機能材料創製技術 | 中西 勉 |
4 | 高圧二酸化炭素中でのポリ乳酸の熱物性測定 | 畑 和明 |
5 | 高性能可視光型二酸化チタン光触媒の新しい製造方法の開発 | 湯 衛平 |
6 | マイクロ波液相化学反応と装置化技術 | 近田 司 |
7 | マイクロ波加熱装置におけるマイクロ波分布・温度分布測定 | 朝日 信吉 |
平成17年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成18年6月21日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界二酸化炭素による天然素材・天然有機廃棄物から有用成分の抽出 | Armando T.Quitain |
2 | マイクロ波を利用した高品位活性炭の実用的製造技術の開発 | 陳 再華 |
3 | 活性炭を用いたTiO2光触媒の製造技術およびそれを使用した農作物鮮度保持多層フィルムの開発 | 湯 衛平 |
4 | 超臨界二酸化炭素-高分子系の熱物性測定と解析 | 畑 和明 |
5 | 安定な薬剤微粒子コロイドの調製 | 黄 錦涛 |
6 | 超臨界流体注入法を用いた機能材料創製技術 | 中西 勉 |
7 | MW水熱分解を利用した廃菌床の分解・可溶化技術の開発 | 朝日 信吉 |
8 | その場観察型マイクロ波反応装置の試作とハイブリッド化 | 近田 司 |
平成16年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成17年6月24日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界二酸化炭素による柑橘類の絞り粕からの有用成分の抽出 | Armando T.Quitain |
2 | 超臨界流体注入法を用いた固体有機高分子材料への機能付与 | 中西 勉 |
3 | 超臨界炭酸ガスを用いた微粒子のパターン化 | 黄 錦涛 |
4 | 高圧流体中でのポリマーの熱物性測定 | 畑 和明 |
5 | マイクロ波化学法によるZn及びTi化合物の簡単合成 | 近田 司 |
6 | 高表面積ナノ白金担持活性炭の製造 | 陳 再華 |
7 | イソシアネート系ポリマーのケミカルリサイクル技術の開発 | 朝日 信吉 |
8 | アセチレンブラックを鋳型に用いたTiO2ナノ結晶の調製とリチウム挿入特性 | 湯 衛平 |
平成15年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成16年6月11日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界二酸化炭素による“おから”の有用成分の抽出 | Armando T.Quitain |
2 | 高品位活性炭の製造と特性 | 陳 再華 |
3 | 超臨界流体注入法を用いた固体有機高分子材料への機能付与 | 中西 勉 |
4 | RESS法によるマイクロカプセル薬剤の製造 | 黄 錦涛 |
5 | 超臨界流体等による廃ポリウレタンのリサイクル技術の開発 | 朝日 信吉 |
6 | 炭素材料を用いた酸化物ナノ結晶の作製と応用 | 湯 衛平 |
7 | 超臨界二酸化炭素中でのポリオレフイン類の熱物性測定 | 畑 和明 |
8 | マイクロ波化学法による各種材料の簡単合成 | 近田 司 |
平成14年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成15年6月18日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | 超臨界二酸化炭素中でのポリマーの熱物性測定 | 畑 和明 |
2 | 超臨界CO2によるヤーコンからの有用成分の抽出 | Armando T.Quitain |
3 | 超臨界流体を用いた有機高分子材料の高機能化技術の開発 | 中西 勉 |
4 | 超臨界流体急速膨張法による材料創製 | 尾路 一幸 |
5 | 廃ポリウレタンの超臨界メタノールによるケミカルリサイクル | 朝日 信吉 |
6 | β-MnO2/カーボンブラックのナノ複合体の合成と放電性能 | 湯 衛平 |
7 | マイクロ波-水蒸気養生によるケイ酸カルシウム系建材の迅速成形 | 陳 再華 |
8 | マイクロ波化学法を用いた無機微粒子材料の迅速合成 | 近田 司 |
平成13年度に実施したプロジェクト等の研究成果
(開催日:平成14年5月24日)
番号 | テーマ名 | 担当研究員 |
---|---|---|
1 | ケイ酸カルシウム系建材の省エネルギー成形法 | 陳 再華 |
2 | 超臨界流体と高分子との相互作用の基礎特性データの整備(超臨界二酸化炭素中での高分子材料の熱物性と高分子材料への二酸化炭素溶解度) | 畑 和明 |
3 | 超臨界流体急速膨張法による材料創製 | 井上 均 |
4 | 超臨界流体注入法を利用した無機/有機複合材料創製 | 中西 勉 |
5 | 廃ポリウレタンの分解挙動に関する研究 | 朝日 信吉 |
6 | LiMn2O4単結晶の合成およびその充放電特性 | 湯 衛平 |
7 | 超臨界流体による天然植物からの有用成分の抽出 | Armando T.Quitain |
研究成果事例
商品の開発
美顔ジェル
- 伊予柑の有効成分を含むオリーブオイルを配合した美顔ジェル。 伊予柑オリーブオイル(当部との共同開発素材)を配合して、旧製品をリニューアルしたもの。伊予柑オリーブの添加により、旧製品よりも古い角質や毛穴汚れを取り除きやすくなった。(令和2年度発売) 【(有)井上誠耕園】
- 柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を確立した。
食品熟成促進装置
- Aging Booster
食材の表面温度と内部温度を個別に制御するマイクロ波熟成促進技術を用いて、一般的な熟成法と比べ短期間で、柔らかさや旨味を向上させる装置です。牛肉の熟成に最適です。
(令和元年度発売) 【四国計測工業(株)】 - マイクロ波による食品等の熟成に関する共同研究を行ってきた成果を活用して開発した。
【男性向け】藍染め石けん「もののふ」【(有)藍色工房】
- これまで(有)藍色工房と、藍葉の機能性成分に関する共同研究を実施してきており、今回は、男性向け石ケン開発のため、技術指導実験により、藍生葉中のインジカン、トリプタントリン等の機能性成分の最適量を確認・検討しました。
- (有)藍色工房の「藍染め石けん」シリーズ中、最も多くアイエキスを配合し、汗ばみやすい男性の肌をスッキリと洗い上げながらも、程よく肌をいたわる石ケンとして販売することができました。
完熟ネーブルオリーブオイル【(有)井上誠耕園】
- 受託研究で開発した柑橘オリーブシリーズの一つで、柑橘の中でもフレーバーであるリモネンを特に高濃度に含有し、風味が優れていることで、単品で発売することになりました。
柑橘オリーブオイル【(有)井上誠耕園】
- 受託研究により、目的成分である「リモネン」を分析し、製造方法の最適化条件を見出すことなどにより、原料である柑橘由来のフレーバーであるリモネンを高濃度に含有する商品を開発でき、新商品の販売に至りました。
- 新鮮檸檬オリーブオイルと同じ製法「同時圧搾技術」を用いて5種類の旬の柑橘とオリーブを一緒に搾り、天然果実の香りを閉じ込めています。
蒸らしてデリシャス【(株)北四国グラビア印刷】
- RISTかがわアドバイザーの技術助言を受けて、切り目を入れないでレンジ調理できる県内メーカーの発泡フィルムを利用した冷凍調理食品用機能付スタンドパウチの開発を行いました。
- 本製品の機能性の科学的根拠について、RISTかがわの発泡フィルム調査研究結果や電子顕微鏡による観察結果などによる技術指導を行い、製品が完成しました。
お肌の美容クリーム(伊予柑オリーブオイルを配合)【(有)井上誠耕園】
- 柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を確立しました。
- この伊予柑オリーブオイルを配合して「お肌の美容クリーム」を販売しました。
伊予柑オリーブオイルを配合したマッサージクレンジングオイル【(有)井上誠耕園】
- 柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を確立しました。
- この伊予柑オリーブオイルを配合してマッサージクレンジングオイルを販売しました。
マイクロ波減圧乾燥機【四国計測工業(株)】
- 農産物の加工処理用にマイクロ波減圧乾燥機を設計・製作し、県内企業に納品した。
- マイクロ波減圧乾燥機の使用用途
①ドライフルーツ・ドライ野菜の製造
②乾燥野菜・果実のパウダー加工
③精油(エッセンシャルオイル)抽出
伊予柑オリーブオイルを配合したリップクリーム【(有)井上誠耕園】
- 柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を共同開発しました。
- この伊予柑オリーブオイルを配合してリップクリームを販売しました。
伊予柑オリーブオイル【(有)井上誠耕園】
柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を共同開発し、製造販売を開始しました。
伊予柑オリーブオイルを配合した保湿クリーム【(有)井上誠耕園】
- 柑橘の未成熟果実とオリーブ果実とを同時に圧搾することにより、柑橘中の有効成分を含むオリーブオイルの製法を確立しました。
- 本製法により伊予間の有効成分を含むオリーブオイルを配合した保湿クリームを商品化しました。(平成21年度発売)
- 同オイルを配合したリップクリーム、美容オイルを商品化しました。(平成22年度発売)
- 開発可能性調査研究、受託研究等で研究開発支援をしました。
柔らか介護食【(株)フード・リサーチ】
- 素材の色・形・味わいを保持した柔らか介護食(嚥下食)です。(平成21年度自社製造)
- 地域企業共同研究支援事業及び地域イノベーション創出研究開発事業により、超臨界二酸化炭素等を用いて機能性成分の抽出を行い、高栄養・高機能性食品の開発を支援しました。
藍染め石鹸【(有)藍色工房】
- 藍葉に含まれるトリプタンスリンなどの抗菌成分を利用した石鹸です。(平成19年度発売)
- 受託研究で藍の葉に含まれる有効成分(抗菌性成分)の研究を行い、当該製品の有用性の裏づけのためのデータを提供しました。
K568(樹勢回復資材)【(株)樹木新理論】
- 衰弱した樹木の樹勢を回復するため、欠乏した微量元素を補給する樹勢回復資材です。(平成18年度発売)
- 受託研究により樹木中の微量元素含量を測定し、樹勢と元素量の相関関係を検証するための科学的な検証データを提供しました。
マイクロ波反応装置(μリアクター)【四国計測工業(株)】
- 基礎的な実験用の簡易型マイクロ波反応装置です。(平成17年度発売)
- 迅速で均一反応促進効果のある省エネルギー型の反応装置を共同で開発しました。
ガーリックオイル【(有)井上誠耕園】
- ニンニクに含まれる機能性成分を、低温で「オリーブオイル」中で抽出させることによって、この有効成分を含むオリーブオイルを製造しました。(平成17年度発売)
- 機能性成分を低温抽出したガーリックオイルオリーブオイルの技術開発を指導しました。
プロセスの開発
「マイクロ波-固体触媒」を用いた廃食用油のBDF化技術
- マイクロ波-固体触媒法を用いたトリグリセリドのエステル交換によるBDFを合成する技術です。
- 装置の小型化、工程の簡略化、廃アルカリ・廃水処理費用が不要となるなど、低コストでBDFの製造が可能となります。
- JSTの平成19年度地開発可能性調査研究、平成20年度シーズ発掘試験等で実施しました。
柑橘成分入りオリーブオイル
- オリーブと柑橘を別々に圧搾して混合したオイルよりも柑橘由来の有効成分が多く含まれています。
- 食品はもちろんのこと化粧品としても製品化が可能です。
- 開発可能性調査研究、受託研究で実施しました。
亜臨界あるいは超臨界流体噴射用ノズル(クリアランスノズル)
- 超臨界急速膨張法に用いるノズルで、通常のノズル穴にニードルを貫通させ、その空隙より噴射するものです。
- 断面積が大きく大量の微粒子製造に適する他、目詰まりにも強いという特徴があります。
- 新分野展開技術研究開発事業(16年度県補助事業)で開発し、JSTの産学共同シーズイノベーション化事業顕在化ステージで試作機を開発しました。
超臨界パターニング技術による微小電極及び微小電池の創製
- 超臨界CO2パターニング(SCAP)技術により、数十μmの微細構造や100μm程度の微小Li二次電池の形成が可能になります。
- JSTの平成18年度シーズ発掘試験での成果です。
ケイ酸カルシウム系建材の省エネルギー成形法
- 水酸化ナトリウムを添加した後、マイクロ波を照射することによって、開放系水蒸気雰囲気下、数分~数十分で、高強度で寸法安定性を有するケイ酸カルシウム系建材を成形する技術です。
- セメントを配合せず、オートクレーブを使用しないことから、省エネルギー化(従来法:180℃、12時間)が図られ、連続製造も可能です。
- 地域コンソーシアム研究開発事業(平成13年度終了)での産学官の共同開発及び自主研究の成果です。
海藻類生育用人工漁礁の低温成形技術
- ケイ酸カルシウム系材料に海藻類の成長促進物質を混練し、マイクロ波で低温で成形固化した新規な海藻類生育用人工岩礁の製造方法です。
- 低温成形固化のため成長促進物質が分解せず、また、多孔性の制御が可能なため、成長促進物質の溶出速度の制御が可能です。
- 県外企業からの受託研究で開発し、同社で実証試験を実施しました。
高品位ナノポア炭素材料の新しい製造技術
- 電気二重層キャパシタや燃料電池の電極として利用可能な、高比表面積・高密度の高純度多孔質炭素材料のマイクロ波加熱法による新しい製造技術です。
- 表面積が3500m2/g以上、最分布孔径が2nm、灰分率が0.3%以下で、市販高品位活性炭よりも高い静電容量及び充放電安定性を持っています。
- 県内の共同研究企業が事業化装置の1/10規模の実証試験装置を導入し、高品位活性炭を製造中です。18年度にはJSTの独創的シーズ展開事業に採択され、実用化装置を開発しました。
高表面積ナノ白金担持活性炭の製造技術
- 固体高分子形燃料電池の実用化のために必須の、高性能触媒である白金活性炭複合材料の製造技術です。
- 比表面積2000m2/g以上、粒径5nm以下の白金を10%担持した活性炭の調製が目標です。
- 超臨界二酸化炭素吸着法及びマイクロ波焼成法を用いて、白金化合物利用率97%以上で、5nm以下の白金粒子を均一に担持し、目標とした活性炭複合体が生成しました。
急速膨張法による材料創製技術
- 超臨界二酸化炭素中に溶解させた金属アルコキシドを急速膨張法で噴霧させることにより、
- 均一微粒子の創製
- メッシュへのコーティング
- 均一な薄膜、厚膜の創製
などを行う技術です。
- 「均一微粒子の創製技術」は、μmオーダーの均一サイズの球状微粒子を創製することが可能です。
- 「メッシュへのコーティング技術」は、複雑な形状基盤へのコーティングが可能で、新規触媒などの創製に活用できます。
- 「均一な薄膜、厚膜の創製技術」は、有害な有機溶媒を用いることなく、強固で均一な厚みを持つ薄膜や厚膜の創製に活用できます。
- 上記技術の一部は、新エネルギー・産業技術総合開発機構プロジェクト「超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発(平成12年度~14年度参加)」での研究成果です。
超臨界急速膨張法による微細パターニング技術
- 超臨界二酸化炭素中に分散させた金属微粒子をマスクをとおして基板上に噴射し、パターニングを行う技術です。
- 粒子の凝縮のない状態で均一コーティングができるため、直径50μmのはんだバンプや線幅30μmのパターニングが可能です。
- 二酸化炭素に不溶な微粒子によるパターニングが可能であり、プリント基板への配線のほか、スクリーン印刷の代替技術や水素ガスセンサー、導電材、圧電体、光触媒等への応用が可能です。
- 県内企業と共同開発した成果です。
電磁波吸収炭素繊維の製造技術
- マイクロ波-水熱法により、炭素繊維上にフェライト(金属酸化物)を迅速にコーティングする技術です。
- これまで未開発であった広帯域(30MHz~60GHz)の電磁波を遮断する効果のある電磁波吸収材であり、建築建材や電子機器等の幅広い分野での利用が可能です。
- 地域コンソーシアム研究開発事業(平成13年度終了)での産学官の共同研究の成果です。
無機微粒子分散流体(流体フェライト)製造技術
- マイクロ波加熱法により、ナノサイズ(粒子径10nm)のフェライトが液体中に均一に分散する無機微粒子分散流体(流体フェライト)を迅速に製造する技術です。
- 磁性を有するため磁石に吸い寄せられる性質があり、ハードディスク等の記録媒体への利用が考えられます。
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構プロジェクト「ナノ粒子の合成と機能化技術(平成14年度再委託事業)の研究成果です。
- 種々の無機微粒子分散流体の作製と用途開発に関する研究を実施中です。
超臨界流体による徐放性商品の製造技術
- 多孔質材料に香り成分や薬効成分、防虫用成分等を直接浸透させ、その効果を長期間持続させる技術です。
- 溶媒注入法などの従来技術に比べ、微細孔内部への成分の浸透が可能で、処理工程も簡単です。
- 県内企業への技術供与により、香り付け数珠を商品化しました。
- 県内企業と香り付け皮革製品の製造技術を開発、商品化しました。
プラスチックの高機能化技術
- 超臨界二酸化炭素を用いて、金属酸化物などをプラスチックの表面にコーティングしたり、内部に均一に注入し、高機能化(電磁波遮断、導電性、抗菌性等)したプラスチック素材を作製する技術です。
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構プロジェクト「超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発(平成12年度~14年度参加)」での研究成果です。
- 岡山県立地企業と共同で製品化のための研究を実施しました。
プラスチックめがねレンズの紫外線遮蔽技術
- 白内障の原因と考えられている長波長紫外線(UV-A)と、眩しさやちらつきの原因である近紫外青色光(BL)をカットする技術です。
- 銀の前駆体を注入処理後に、超臨界状態で加熱すると、粒子径が増加し、UV-AやBLの除去率が向上します。
- 超臨界流体注入法は、プラスチックめがねレンズ等の、透明有機高分子材料の機能化に有効な技術です。
撥水性を付与した天然皮革製品の製造技術
- 超臨界流体注入法による皮革素材への撥水剤の注入技術で、撥水性の向上とその持続性に優れます。
- 手袋・バッグ・靴等の天然皮革製品や加工用素材に撥水性を付与する製造方法です。
- 皮革素材内部へ撥水成分を注入可能です。
- JAPANブランド育成支援事業で、県内商工会からの受託研究成果です。
アセチレンブラックを鋳型に用いた酸化物ナノ結晶複合体の合成技術
- 熱分解性金属酸化物溶液とアセチレンブラックを混合、加熱することにより、ナノ金属酸化物を合成する技術です。
- アセチレンブラックが鋳型となり、加熱温度によって異なった結晶性と結晶サイズの酸化物ナノ結晶複合体の合成が可能です。
- 触媒、二次電池正極材料、半導体などの作製に利用可能です。
廃ポリウレタンの分解・原料回収技術
- 超臨界流体等を用いて廃ポリウレタンを分解し、原料として回収する技術です。
- 従来法に比べて、低温で高い分解率(90%以上)を達成しました。
- 原料であるポリオールとジイソシアネートのブロック化物(原料のジイソシアネートは、反応性が高く常温での保存が困難)として回収します。ブロック化物は容易に熱分解して原料への回収が可能です。
- ベンチスケールサイズの連続分解・回収装置を導入し、県内企業等へ技術供与を検討中です。
新素材の開発
リチウムイオン電池用固体電解質
- 小型化された電気製品に大量の需要が見込まれるリチウムイオン電池用のポリマー(固体)電解質(現状:ゲル状電解質)を製造する技術です。
- 県外企業との共同研究及び課題対応新技術研究開発事業により、実用化レベルの充放電特性を有する素材を開発しました。
- 現在、充放電容量の向上と繰り返し安定性の改善のための研究を実施中です。
リチウムイオン電池用正極材料
- 有害性の高い希少金属であるコバルトの代替材料として、資源的に豊富で安全性の高いマンガンを使用して正極材料を製造する技術です。
- 結晶サイズが30nm(従来の電池材料の約300分の1)で、充放電ロスが少ない単結晶微粒子の正極材料です。
- この正極とポリマー電解質とを一体化した高性能の電池を作製することが最終目標です。
鮮度保持多層フィルム
- 生鮮食品の鮮度保持に用いる、安価な可視光応答型光触媒含有多層フィルムの製造技術です。
- 可視光型光触媒(酸素欠損型酸化チタン)を用い陳列棚等室内の照明で鮮度保持効果が得られます。
- 表面層のみに光触媒があり効果が効率的です。
- 県内の共同開発研究企業がNEDOの「平成18年度産業技術実用化開発費助成事業」の補助を受け、実用化のための研究を実施しています。
装置の開発
超臨界流体抽出装置
- 超臨界二酸化炭素を用いて、薬用成分や香り成分の抽出、不純物の除去等を行う装置です。
- 温度、圧力を任意に制御することが可能で、最適抽出条件を効率的に決定することが可能です。
- 県内企業との共同研究により平成12年に開発したもので、同社で製造、販売中です。
マイクロ波反応装置
- マイクロ波加熱法により材料創製などを行う装置です。
- 従来の加熱法では得られない迅速で均一な反応促進効果により、省エネルギー型の反応プロセスの実現が可能です。
- 県内企業への技術指導により、平成11年に開発したもので、同社で製造、販売中です。
- 現在、高機能化装置の開発に向けて、同社と共同で研究を実施しています。
超臨界流体抽出・注入装置
- 天然物質からの有用成分の抽出と素材への機能成分の注入を行う装置です。
- 二酸化炭素を溶媒として使用する環境調和型の抽出・注入装置です。
- 徳島県立地企業への技術指導により、平成15年に開発したもので、同社で製造、販売中です。
超臨界洗浄・乾燥装置
- 表面張力や毛細管現象を生じないシステムにより、微細構造物を破壊せず洗浄・乾燥する装置です。
- 高圧研の技術協力により、県内企業が製品化しました。
- 当該企業がさらに開発を進め、半導体ウエハーを洗浄・乾燥する装置として本格生産を行っています。
産業財産権
特許出願状況
年度 | 出願件数 | 出願区分 | |
---|---|---|---|
単独出願 | 共同出願 | ||
令和2年度 | 0 | 0 | 0 |
令和元年度 | 0 | 0 | 0 |
平成30年度 | 2 | 0 | 2 |
平成29年度 | 2 | 0 | 2 |
平成28年度 | 2 | 0 | 2 |
平成27年度 | 0 | 0 | 0 |
平成26年度 | 0 | 0 | 0 |
平成25年度 | 0 | 0 | 0 |
平成24年度 | 1 | 0 | 1 |
平成23年度 | 0 | 0 | 0 |
平成22年度 | 1 | 0 | 1 |
平成21年度 | 5 | 2 | 3 |
平成20年度 | 5 | 0 | 5 |
平成19年度 | 7 | 3 | 4 |
平成18年度 | 8 | 2 | 6 |
平成17年度 | 5 | 1 | 4 |
平成16年度 | 13 | 5 | 8 |
平成15年度 | 10 | 4 | 6 |
平成14年度 | 13 | 9 | 4 |
平成13年度 | 10 | 8 | 2 |
平成12年度 | 16 | 3 | 13 |
平成11年度 | 3 | ― | 3 |
合計 | 103 | 37 | 66 |
登録特許
登録特許の一覧 (令和3年4月1日現在)
かがわ機能性食品等開発研究会
近年、人々の健康志向の高まりを背景に、食品等に対するニーズも多様化しており、生理機能に着目した食品や化粧品(以下「機能性食品等」という。)への期待が高まっています。
本県の食料品製造業界及び化粧品製造業界においても、今後、他産地との競争に打ち勝ち、より活性化していくためには、差別化が図られ、付加価値の高い商品開発を進めていくことが求められています。
そこで、産学官が連携して機能性食品等の開発に資する事業を実施することを目的とし、「かがわ機能性食品等開発研究会」を設立しました。
活動内容
- 情報提供・収集事業
- 機能性食品等の開発に関するセミナーを開催するほか、先進企業や学官の試験研究機関等の視察を行う。
- 意見交換・相談事業
- 機能性食品等の開発に係る諸問題について、大学や公設試験研究機関等の参加した意見交換会を開催し、適宜、専門家の助言・指導を受けるとともに、共同研究や受託研究の検討を行う。
- その他本研究会に役立つ事業
会員
- 機能性食品等の開発に関心のある企業・個人
- 研究会の運営に関して必要な助言・支援を行う機関・専門家等
☆会員募集中(会費無料)
- お問い合わせ先
- 地域共同研究部(RISTかがわ)
- TEL:087-869-3440 FAX:087-869-3441
- お問い合わせフォーム